2023/8/24
vol.27
第4回オルタナティブデータの不動産活用に関する研究会の開催報告
竹田 賢治
不動産戦略アドバイザー
日鉄興和不動産株式会社
開催日:2023年8月22日(金)
場所:赤坂インターシティAIRにて、ハイブリッド開催(対面&WEB)
発表者:丸山大貴(日本気象協会)
対面参加者:松元秀信(TAKプロパティ取締役)
コーディネーター:村木信爾(JAREC常務理事、大和不動産鑑定)
竹田賢治(JAREC理事、日鉄興和不動産)
※WEB参加者含め10名が参加
【テーマ】
「データとしての気象情報利活用と気象リスク」 日本気象協会 丸山様
【タイムテーブル】
18:00~18:30 対面参加者の名刺交換ご挨拶Time
18:30~ 研究会スタート
《5分》 トピック紹介:Deloite記事「不動産の気候変動による経済的損害算定モデル」ご紹介
《30分》 ★日本気象協会様よりテーマ発表★
《25分》 質疑応答
今回のテーマでは、精度や解析力が高まってきている気象データの取得可能範囲や具体的な応用例(業務として受注されている)などの紹介をうけた。
これらのデータの利用範囲拡大の可能性については、その将来予測能力(前提となる天候:日照量や降雨量、また河川等に流れ込む水の流量など)を用いることで、大規模エリア開発や大型イベント開催での活用が見込まれる。具体的には気象変動データと人流データとのミックス分析によって、投下すべき資本(含む人員)の定量化や可視化の可能性が予見できるものであった。
また、これらの定量化や可視化がMaas等と結びつくことで、社会資本整備の検討課題への一つのメルクマールを生む可能性にも議論が及んだ。既に実現化されている、工場の生産量コントロール(例:アイスクリームやビールなど)の研究が日本国内に留まらず海外でも事業化されていることも新たな視野の拡大となった。
前回の商業出店時マーケット分析手法に加え、気象データによる水害リスクへの感応度や集客影響なども加えれば、より説得力のある出店時マーケット分析や、オペーレーション段階での売上予測の精緻化などもにも応用できる可能性が感じられるものであった。
話はさらに広がりを見せ、TCFDの拡大もあり、不動産VALUEの見るべき姿(過去データからでは読み取れない程、激しくなりつつある気候変動リスク)を改めて見直す契機となるやもしれないとの議論が広がる活発な意見交換が行われました。
今後も不動産価値向上に資する、活用が期待される「データ」のリスト拡充を行います。